なぜ筋肉はなかなかつかないのか?
トレーニングを行なっている方の多くは、
「なんでこんなに頑張っているのになかなか筋肉がつかないのかな?」
と思っているでしょう。
ヒトが生きてきた歴史から考えてみると、その答えが見えてきます。
※脂肪がつきやすい理由と考え方は同じです。合わせて読むとより理解が深まるでしょう。
元々ヒトは狩りをして生きていた生き物でした。
他の動物と比べると体格も小さく筋力の弱いヒトは持久力に特化した骨格に変え(お尻の筋肉の発達など)、投擲能力を高め(肩甲骨の位置や鎖骨の延長など)、自分たちより大きな動物を狩って生活してきました。
一回の狩猟には4〜6時間かかり、消費カロリーは現代よりも高く、狩りがうまくいかない時は食事が出来ず、飢えを凌ぐ生活をしていました。
筋肉は代謝を高める働きがあるということは皆さんご存知だと思いますが、それはつまり消費カロリーを増やすということです。
現代においては消費カロリーが増えるということはとても良いことに聞こえますが、当時は真逆です。
いかに少ない消費カロリーで生活するかが重要でした。
筋肉を増やすことは燃費の悪い体を作ることになるため、かなりの余裕がないとできないことだったのです。
飢餓に備えるために、筋肉は分解方向に進みやすく、合成方向に進みにくい組織となったのです。
そのような生活を約200万年続けてきた私たちのシステムは、約1万年前から始まった農耕生活と、数十年前からの飽食時代では書き換えることができません。
筋肉をつけるためには
「筋肉を強くしなきゃ今のままじゃこの負荷に耐えられないよ!」
という強い刺激を加えた上で、十分な栄養摂取も行い、
「これだけ満ち足りていれば少しぐらい筋肉量が増えても大丈夫かな!」
と体に思い込ませることが大切です。
エコな体づくりは今の私たちの体には色濃く残っています。
脂肪がつきやすいのも同じ理由で説明できますね。
私たちの祖先の生活による体のシステムを理解しておくと、自分への理解につながりますので、ストレスを溜めないためにとても重要です。
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