脂質の働き

脂質の働き

 

脂質は脂肪となって蓄積するから悪者であり、できるだけ減らしたほうが良いよ思われがちですが、そうではありません。

厚生労働省は脂質の摂取量を全体の25%程度にすることを推奨しており、その重要性がわかります。
(炭水化物60%、たんぱく質15%)

 

今回は脂質の働きについて紹介していきます。
主な作用は5つです。

  1. 脂肪の貯蔵
  2. 生体膜の構成
  3. 脂溶性ビタミンの供給
  4. 胃滞留時間の延長
  5. 生理活性物質の材料

 

1、脂肪の貯蔵

いわゆる体脂肪は過剰にあると、スタイルを悪くしたり、様々な病気や不調の原因となるため良くないですが、0ではいけません。

脂肪は1gあたり9kcalという、糖質やたんぱく質と比べると倍以上のエネルギー量なのですが、つまり、脂肪を蓄えておくことは効率の良いエネルギー貯蔵法ということです。

元々狩猟により食物を獲得していた我々の先祖は満足な食事を定期的に得ることができなかったため、脂肪という形でエネルギーを貯蔵していたのです。

 

その他にも脂肪は体を支えたり、ホルモンを分泌したりなど、必要な機能を備えています。
詳しくは体脂肪についての記事をご覧ください。

 

2、生体膜の構成

脂質の中でもリン脂質・糖脂質・ステロール(コレステロールなど)は生体膜の主要な構成成分であり、広く分布しています。

つまり、良質な脂質の摂取は細胞を形成する上でとても重要です。

 

3、脂溶性ビタミンの供給

水に溶けずに脂肪に溶けて身体で働く栄養素も多数存在します。

ビタミン類ではビタミンA・D・E・Kが脂溶性ビタミンとして分類されており、脂質がないと吸収されません。

それぞれ代表的な働きに

  • ビタミンAは目や粘膜、皮膚などの健全性
  • ビタミンDは骨の生成
  • ビタミンEは血管拡張や抗酸化作用
  • ビタミンKは血液凝固

などがあり、欠乏してはいけません。

 

4、胃滞留時間の延長

胃の中に残る時間は栄養素によって違い、

  • 糖質は1〜2時間
  • たんぱく質は約3時間
  • 脂質は約4時間

というふうに言われています。

胃に残る時間が長いということは空腹感を感じるまでに時間がかかるということです。

 

5、生理活性物質の材料

多価不飽和脂肪酸であるアラキドン酸はプロスタグランジン(炎症の調整)などの体内で生成される生理活性物質の前駆体です。

コレステロールから副腎皮質ホルモンや性ホルモンも作られています。

 

 

以上のように脂質は様々な働きを持っています。

栄養の吸収やホルモンの生成、さらには細胞膜の構成要素でもあるため、脂質をカットしてはいけません。
問題は脂質を摂取する際の種類とバランスです。

脂質の重要性を知った上でそれぞれについて少しずつ知っていきましょう!

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