ヒトの進化を知ることによる自分自身への理解

ヒトの進化を知ることによる自分自身への理解

 

ヒトは健康でいたいと思いながらも、ゴロゴロしてテレビを見たりすることが好きで、筋トレやジョギングなどの疲れることが嫌いです。

このことを行動科学や心理学の分野では「運動のパラドックス」と呼ばれています。

 

そもそもヒトは筋力トレーニングをするようにデザインされていません。
健康を維持するために運動が必要になったのはつい最近の話なのです。

 

元々ヒトは200万年もの間、狩猟生活を行なっていました。

筋力やスピードで他の動物にかなわないヒトは、大臀筋(お尻)の発達やアキレス腱の延長、発汗機能の向上などにより長時間走り続けられる体を手に入れました。

 

尖った爪や牙も持ち合わせていなかったヒトは上半身の形も変化させていきます。
鎖骨を伸ばし、肩甲骨を体の背面へ移動させることで肩の自由な動きを手に入れ、石や槍などを遠く、正確に投げる技術を手に入れました。

 

そうやって長い期間をかけて体を時代に適応させ、長い狩猟期間を生き抜いてきたのです。

このことから脂肪の減りにくい理由や、筋肉のつきにくい理由も説明することができます。

そして長い年月をかけて適応してきたのは体だけではなく、心も同じです。

 

危険な場所に身を置いたら不安を感じ戦闘態勢になるヒト。
食料を奪われそうになったら怒り、返り討ちにするヒト。

そういった個体が厳しい環境を生き残り、現代人に感情をもたらしました。

現代では感情をありのままに表現することができません。
上司に嫌なことを言われても、怒りの感情を抑え、ニコニコとしていなければなりません。
そういった本能と理性の歪みが、自律神経の乱れなど、身体の不調に繋がっているのです。

 

そして今回の本題である、運動のパラドックスもこれにより説明することができます。

動物が生きていく上で本能的に最も重要視することが、子孫の繁栄です。
それはヒトも同じであり、生き残るために大切なことは「三大欲求」として今もヒトの身体に残り続けています。

それは

  • 食欲
  • 性欲
  • 睡眠欲

です。

内二つ(食欲と性欲)を満たすためには、狩猟を行い、性交をする必要があります。
つまりカロリーを消費するのです。

しかし当時、カロリーは安定して摂れるものではありませんでした。
食料を得るためにも莫大な消費カロリーを必要としたからです。

つまり、狩りの時と性交の時以外はできるだけカロリーを消費しないようにじっとしておくことが必要だったのです。

 

そのシステムが今現代の私たちの身体にも色濃く残っているのです。

だから運動をしようとした時に、私たちの祖先が
「そんなカロリーの無駄遣いをしてはダメだ!ゴロゴロしてカロリーを節約せよ!」
と語りかけてきて、私たちはゴロゴロしてしまうのです。

 

このことから何が言いたいかと言うと、
人というのは運動をしたり、食事制限をしたりできるようにプログラムされていないということです。

よって、運動や食事制限を継続して行いたいのであれば、それを克服するための工夫が必要ということです。

 

気持ちだけで勝負してしまっては、理性は必ず本能に負ける時がきます。
それが3日坊主や暴飲暴食です。

そうならないためのあなたにあった工夫をこれから探していきましょう!

>一生健康でいるためのコツを知る学校

一生健康でいるためのコツを知る学校

毎月10本以上の記事を更新され、毎月覗くだけでどんどん健康になれる場所を目指しています。 こんなことが知りたいなどありましたらご連絡ください。 順に作成していきます!

CTR IMG